「まったくの無音」を想像すると、深い森や防音室の中を思い浮かべるかもしれません。
ですが、実は“完全な静寂”はほぼ存在しないと言われています。
その理由のひとつは、空気や物質が常にわずかに振動しているからです。
音は振動によって生まれるため、風、建物のきしみ、遠くの車の走行音など、
私たちが意識していない微細な音が常に存在しています。
さらに興味深いのは、人間の体そのものも音を発しているという点です。
心臓の鼓動、血流、呼吸音など、外部の音を極限まで遮断すると、
今度は体内の音が聞こえてくることがあるそうです。
実際、無響室(音の反射を極限まで抑えた部屋)に入った人が、自分の心音や神経のざわつきのような感覚を強く意識したという話もあります。
私自身も、夜中に「静かだな」と感じる瞬間ほど、
冷蔵庫の低い音や遠くの車の走行音に気づくことがあります。
静寂とは“音がない状態”というより、 “音が目立たない状態”なのかもしれません。
完全な無音がないと考えると、私たちは常に何かしらの振動の中で生きているとも言えそうですね。


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